日記「アベノマスクという言葉」

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午後、久しぶりに新宿に行ってきた。

いつもより気持ち人が少ないような気もするし、変わらないような気もする。ほとんどの人がマスクを着用して歩いているものの、切迫した雰囲気は特別感じない。周囲から「歌舞伎町の方はかなり人が減ってるらしいよ」という声が聞こえてくる。たしかに、飲食店や夜のお店がひしめき合う歌舞伎町は、東京都の自粛要請の影響をモロに受けているに違いない。

先日、安倍総理が各世帯にマスクを2枚配布すると発表した。

僕自身、全てのニュースに目を通している訳ではないし、ネットニュースをさらっているだけなので認識に間違いがあれば申し訳ないが、配布の発表以降、「アベノマスク」なるアベノミクスをもじった言葉が出てきた。おそらくお昼の情報番組などでも言及されているんだろうし、著名人がブログなどで触れているんだろう。

たしかに今回のマスクの配布に関しては、僕も疑問がある。

が、同時に、揶揄する、もう少し直接的な表現をすれば、バカにする響きを持つ「アベノマスク」という言葉を使って、どこか安倍総理をからかう雰囲気を感じるところをみると、どこかまだ余裕を感じずにはいられない。国民が危機感を持ち真剣に声をあげて・・・というタイプの行動には少なくとも見えない。

日本を動かしている政治家のトップが総理大臣。

あらゆる物事を総合的に判断し、なおかつ全てと言っていいだろう責任が肩にのしかかっている状況でもあることは間違いない。総理自身、配布を発表した後にどのような反応があるのか理解した上での決定であることは明白で、その施策に対する建設的な批判、疑問は別に良いとは思うが、なんだかここ連日の動きを見ていると、また始まった感が否めない。不倫のニュースに群がるあの感じ。人の揚げ足を取り、バカにするあの感じ。施策に対する是非、政治的信条は一旦脇によけて、本当に「アベノマスク」なんて言って皮肉ってる場合なの? と思わずにはいられない。

毎日、一応、専門家会議の動画を観る。オーバーシュートが起きる前に医療崩壊が起きるという可能性も出ているらしいし、医師会の会見にも目を通した。著名人の方々が「緊急事態宣言を出すべきだ」と声を上げている。個人的には同じ気持ちである。だが同時に、それは僕の感情的な問題じゃないのか? と思わなくもない。あくまで僕の場合はであるが、本当に専門的な見地からの意見なのかと問われれば恐らくNOだ。冷静になると、そのあたりがこわくなる。自分自身が「恐怖」という感情に支配され、安心を感じる方に流されているだけなのじゃないかと。言うまでもないが、まだこの段階で安倍総理が緊急事態宣言を出さないのには絶対に理由がある。経済的な損失でアベノミクスが吹き飛ぶからとも言われている。たしかに、それもあるんだろうけど、それだけじゃないはずだ。計り知れない葛藤と、政治的な判断が求められてる状況なのだ。

経済の反対側には人命が乗ってる。

経済を止めれば倒産、失業し、果ては自殺する人が出るかもしれない。だが、自粛を要請せず、経済を動かせば人命が危険に晒され、死者が増える可能性が高まる。要するにどっちを向いても、苦渋の決断があり、その先にはそれぞれの人の生活がある。唯一無二の正解は無い。

にも関わらず、それらを最終的に決断し、経済と人命を天秤にかけ、責任を持つのが総理大臣なのだ。今この状況で、アベノマスクなんて言って、彼の気を散らしてる場合じゃない。心からそう思う。

April 3,2020
Calm down.