でも、もう、今からじゃ遅いね

高校時代、同じ学年にギターが上手いM君がいた。

この日記は同級生が読んでくれていることが結構多いようなので、もし僕と同じ大阪府立阪南高校に通っていた人ならギターが上手いM君でピン!と来たかもしれない。

当時、M君はバンドに所属していた。

高校3年生の文化祭直前、教室でギターの弾き方を教えてもらった記憶がある。

僕は音楽に関しては完全な素人。

正直、楽器はリコーダーも満足に演奏できたことはないし、歌っても音痴。

音楽的な才能はまるでない。

でも、当時は高校生で思春期だったこともあり、モテたい気持ちもあいまって、アコースティックギターを買った。

たしか1万円ぐらい。

M君はクールな性格で、あまりみんなとワイワイするタイプには見えなかったけれど、綺麗な顔立ちでギターを手にすると凄いテクニック。

内心、かっこいいなぁと思っていた。

控えめに笑う姿が今でも印象に残っている。

なぜか僕は仲良くしてもらっていた。

自分のギター練習はそっちのけで、彼にリクエストしては色んな曲を演奏してもらっていた。

高校3年生。

過ぎ行く青春の秋の教室で、僕は彼を、心から羨ましいと思っていた。

その時、小学校の記憶が蘇る。

体育館で何かの発表会?があって、同級生の2人がギターを演奏し歌った。

その時も同じく、カッコいいなぁ、羨ましいなぁ、と感じた。

嫉妬とはまた違うと思っていたけれど、今考えるとそれに近い感覚だったのかもしれない。

体育館で演奏を聴く数日前、小学校内でギターを触る機会があった。

数日後に2人が演奏するのは知っていたから、僕も今から練習すれば、いつかは上手くなれるのかもしれないと思った。

「ドレミ」って、どう弾くんだろうか? なんて考えていた記憶がある。

でも、結果的に僕はギターの練習をしなかった。

2人を羨ましいとは思ったけれど、そこから何も練習せず、努力もしなかった。

数年後、僕は高校の教室でM君が弾くギターの音色を聴いていた。

もしも、あの小学校でギターに触れた時から練習を続けていれば、同じぐらい上手く演奏できたんじゃないだろうか?

そう思っていた。

ふと、そんな自分に苦笑した。

でも、もう、今からじゃ遅いね、と。

M君のギターを聴いた時から、さらに15年ほどが経ち、僕は32歳になった。

ギターにはほとんど触れてこなかった。

ふと、今日の夕方、ある想いが頭をかすめた。

もし、M君のギターを聴いた日から練習を続けていれば、当時の彼と同じぐらい上手く演奏できるようになっていたんじゃないか、と。

でも、もう、今からじゃ遅いね、と思ったあの日から、きちんと取り組んでいれば……

人はいつも自分自身に、もう遅いね、と言う。

僕もそう。

でも本当にそうなんだろうか?

きっと、今からできることがある。

僕にとってのギターは、もしかしたら、文章を書くことなのかもしれない。

そんなことをひとり考えながら。

ps.

M君はめちゃくちゃギターが上手かったので、僕が死ぬ気で練習しても追いつけなかったであろうことはきちんと追記しておく。元気かぁー?

Twitter:杉本達哉 Tatsuya Sugimoto

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