新宿の夜、YとS

仕事の遅番終わり、寒空のもと新宿の飲み屋街に繰り出し、大学のクラスメイト2人に会った。僕と同じ浪人組のYと、現役合格組のS。Yとは数年間会っていなかったのだが諸々あって今年に入って頻繁に会っている。Sとは実に9年ぶり。大学の卒業式以来。久々感はほとんどない。皆んな良い意味で変わっていない。当時の思い出話や、現在の近況報告、そして20代の前半から30代前半にかけて、どのように生きてきたのか、などについて語り合った。Sいわく、僕も全然変わっていないそうだ。確かに。根っこの部分は全く変わっていないように思う。

時間の経過とともに、それぞれの状況はどんどん変わっていく。Yは大きな会社で懸命に働いている。Sは結婚したばかりで何やら楽しそうだ。僕は相変わらず仕事場と自宅の往復。こう見ると僕の状況だけあまり変化していないように思える。人間性は大学時代とほとんど変わらないのに、置かれている状況が変化してくる。当時、同じような場所にいた3人が、今や全く異なる分野へと進んでいる。この違いがなんだか面白い。きっと他のクラスメイト達も各々の道へと進んでいるはずだ。もしかすると物凄く出世したやつも居るかもしれないし、くすぶっているやつも居るかもしれない。楽しみながら、悩みながら、喜びながら、葛藤しながら、それぞれの人生を生きているはずだ。皆んな元気でいてくれればいい。

自宅が新宿から少し遠いSが先に帰り、僕とYは夜の11時頃まで飲んで店を出た。帰り道、コンビニで缶ビールを買い、乾杯。プチ2次会である。かつて大阪の大学に通っていた二人が、時を経て、冬の新宿を歩いている。なんだか不思議な気分だ。そのまま丸の内線の改札まで送り、僕はJRに乗った。車内が暖かく心地良い。最寄駅に着き、電車を降りると外はやっぱり寒い。なにせ、もう12月になる。今年ももうすぐ終わる。寒さを和らげるため、首をすくめ、上着の中に息を吐きながらホームを歩いていると、前から歩いてきた外国人の男性と目が合い、彼が微笑みかけてきた。僕も自然と笑顔になる。寒い夜に一瞬すれ違っただけ。もう二度と会うことはないかもしれない。けれど、確かに「あたたかい何か」が交換されたような気がする。僕にとってのYやSのように、その外国人男性にもきっと大切な友達はいるんだろうな、なんて考えた。人ってやっぱりいいな。