繰り返しの毎日にドップリ浸かってしまわないように

今日は午後から中野に行く予定があったので、少し早めに家を出て西新宿のマクドナルドで朝食を食べることにした。

以前、舞台の台本と演出を担当させていただいた際、連日深夜にやってきては、せっせと台本を直していた場所である。懐かしい。ここに来ると、当時の記憶がよみがえる。協力してくれる仲間が居て、毎日毎日、深夜から朝方まで台本の世界観を掘り下げるのを手伝ってくれた。仲間とコーヒーを飲みながら、物語の内容を、人生を、それぞれの価値観を語り合う。まるで、語ることで自分の存在意義を確かめているかのような、そんな日々だった。今思い返すと、かけがえのない楽しい時間だったけれど当時はそれなりに追い込まれた。とにかく台本を仕上げなくてはいけない。勿論、それだけじゃない。並行して舞台の稽古もある。精神的にもそうだし、次第に体力的にも削られていった。僕の様子がいっぱいいっぱいだと感じたのか、ある日、地元大阪から友人がわざわざ西新宿まで会いに来てくれて、早朝のマクドナルドで話を聞いてくれた。スケジュール的にギリギリの状態で、2時間程しか自由な時間が取れなかったにも関わらず、たったその2時間、僕と話をするためだけにお金を出してわざわざ東京まで来てくれたのだ。今でも本当に感謝しているし、つくづく僕は仲間に恵まれている。

僕自身、時々、配慮が足りない、と指摘を受けることがある。勿論、悪気があるわけではないけれど、指摘を受けるということは少なからずそういう部分があるんだろうと思う。自覚している部分もあるし、そこは直そうと意識しているけど、きっと無意識で、自分でも気付いていない部分もたくさんある。元々は、指摘を受ける度にその都度、反発してた(今でもしてしまうけれども)。本当に自分が正しいと思うことならそれでもいいかもしれないけど、正直よくわからない時もある。迷って、冷静に物事を捉えることが出来なくなっている時もある。そんな時はキチンと指摘してくれる人の言葉に耳を傾けなきゃいけないな、と思う。知らず知らずの内に傲慢になりがちだ。多少、傲慢ぐらいじゃなきゃやっていけないよ、とも思うけれど、謙虚さは忘れたくない。なるべく嫌な奴にはなりたくない。そんな意味も込めて、今でもたまに西新宿のマクドナルドに足を運ぶ。ただ単にポテトを食べたくてお店に寄っていることもあるけど、やっぱり初心を思い出すために寄っていることが多い。

一応、偏屈な爺さんになるつもりはないし、なりたくない。今現在、32歳にして時々、「ったく、今の若いもんは」と思う時もあるけど、人生の先輩からだけではなく、自分より若い世代の人達からも色々なことを学んでいきたいと思っている。そのためには、きっと自分自身のあり方を問うていかなきゃいけない。その最低限の土台づくりのためにも、初心を思い出すことは大切になってくるんじゃないかな。年齢と共に身体は老いても、記憶やら気持ちは瑞々しくありたいし、なるべく謙虚でありたい。初心、初心、初心ね、初心!ちなみに、中野での予定を終えた後は、先日まで住んでいた沼袋にも行ってみた。これまで何回も何回も繰り返しみた景色が今日は少しだけ違って見えたような気がした。生きてるってのは、本当に不思議だ。僕の原点、初心。これからの人生で何度ここに来るんだろうな。出来れば、数えられないぐらい来たいな。繰り返しの毎日にドップリ浸かってしまわないように、初心に、過去の記憶に想いを馳せながら。