短編物語『フェイク』の脚本“初稿”を公開!

今朝、早朝の飛行機で大阪へと戻ってきました。

午前中はばあちゃんちに行き、午後は梅田で大学の友人家族と会い、夜は地元で飲み会。

恐らくどこかのタイミングから強烈に酔っ払うことになると思いますので、今日投稿分の『杉本達哉の書斎』は東京の自宅を出発する前に書きました。
確か午前3時頃だったと思います。
もはや時間の感覚が完全に狂っています。

「どういう意図があるの?」

と、思った方は無料で読めるので『杉本達哉の書斎』をのぞいてみていただきたいのですが、先日ブログで公開した短編物語『フェイク』、こちらの“初稿”を本日は公開させていただきます。

“初稿”というのは、つまり修正を加えていない脚本のことです。

最後に、先日公開した『決定稿』のリンクも貼っておきますので、初稿と決定稿を読み比べていただいて、「どう変化したの?」という部分を楽しんでいただければ嬉しいです。

この写真からのインスピレーションを膨らませた物語です。

では、どうぞ。

『フェイク』初稿

脚本:杉本達哉

(人物一覧表)

沼田 智樹(32)…主人公

杉崎 玲子(31)…智樹の元カノ

新堂 圭介(32)…新郎

○ 街・路地(早朝)
道端にうずだかく積まれたゴミ。
一羽のカラスが突いている。

沼田の声「おーい、新堂!」

ひとけの無い路地に声が響く。
よろつく新堂圭介(32)が路地に飛び出してくる。
手には缶ビール。
大量の荷物が入った紙袋を手に追いかけてくる沼田智樹(32)。
後ろから杉崎玲子(31)も続く。

沼田「飲み過ぎ!」

ニマニマと笑い、おどけてビールに口をつける新堂。

沼田「おい!」
玲子「良いの? 戻んなくて」

聞こえていない様子の新堂、泥酔状態。

沼田「なつみさんは?」
玲子「先、帰った」
沼田「大丈夫なのかよ。結婚初日だぞ」
玲子「厳密には翌日だけどね」
沼田「……」
玲子「何?」
沼田「変わってねえな。そういうとこ」
玲子「変わったよ」
沼田「変わってねえよ」
玲子「変わった」
沼田「……」
玲子「変わったよ」
沼田「……」
玲子「まあ、でもたぶん、大丈夫。よろしくお願いしますって言ってたから」

ニマニマと近づいてくる新堂。

新堂「何、いけない話? いけないお話ですか?」
沼田「うるせえよ!」

向こうから一台のタクシーが走ってくる。
手をあげる沼田。

○ 道〜地下鉄出入口(早朝)
新堂の乗ったタクシーを見送る二人。
どちからともなく歩き始める。

沼田「……泊まってく?」
玲子「何言ってんの」
沼田「泊まってく? って言ったんだよ」
玲子「……」
沼田「近いぞ。案外」
玲子「そういう問題じゃないでしょ」
沼田「襲ったりしねえよ」
玲子「ウソ」
沼田「まあな」
玲子「にしても凄いね。それ」

沼田の手には紙袋にぎっしり詰まった余興道具。
その中に一本の薔薇。

沼田「やっぱ変わんねえよ、そういうとこ」
玲子「……」
沼田 「結婚式の余興ごときで大げさなんだよ。ほれ」

と、薔薇を抜き取り玲子に渡す。

沼田「造花じゃねえぞ」
玲子「……」
沼田「ほれ」

玲子、受け取る。
数メートル先に地下鉄の出入口。

沼田「見送るよ」
玲子「いいよ」
沼田「行けって」

玲子、薔薇を手に出入口へ歩き出す。

沼田「玲子!」
玲子「……」
沼田「さすがだな」
玲子「……」
沼田「近いなんてウソ。単純にヤリたかったんだ」
玲子「……」
沼田「ゴメンなーっ!」

と、おどけて笑う沼田、タクシーを止める。
乗り込む沼田に微笑んで手を振る玲子。

○ 地下鉄・車輛内(早朝)
座席に座る玲子。
手には一本の薔薇。

玲子「……」

○ 道・路肩(早朝)
走り去るタクシーを見送る沼田。
今にも朝日が昇り出しそうである。
遠くに地下鉄の出入口。
沼田、歩き始める。

○ 地下鉄・車輛内〜新宿駅ホーム(早朝)
座席を立ち、扉の前へ移動する玲子。
扉に映る自分を見て、手ぐしで髪を整える。
減速し、新宿駅に滑り込む地下鉄。
扉が開き、降りる玲子。
ホームの向こう、手をあげる新堂。
玲子、ふっと、微笑んだ。

END                  

【短編物語『フェイク』の決定稿はコチラ】

ps.「“初稿”と“決定稿”を比較するの結構面白いね!」と思っていただけた方は、このブログを『シェア』していただけると嬉しいです(*^^*)

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