個人的には「不安な時期」ってのは必要だと思いますね。

2017年12月、30歳の僕は東京にいた。

 

今後どう生きていくべきか?

 

目を背けることなく考えなければいけない。

そう思った。

 

脚本家になりたい。そんな漠然とした思いを抱えながらも日々頑張れていない自分にも気づいていたし、これを書いている今でさえ、一点の曇りもなく「頑張れてる」とは言えない自分がいる。正直に告白するのは怖いもんだね。

 

たぶん、それなりには頑張ってる。自分で言うのもなんだけど。

でも、それなりじゃ到達できない夢を追っていることもまた事実だ。

 

現在、2018年11月。

あれから、もうすぐ1年になる。

だからこそ、今、書いておきたいと思った。

 

随分、不安だったなぁ。

AD時代、1度逃げ出した東京という街。

 

夢を諦める。

その選択肢を完全に消すために夜行バスに飛び乗った。

フジテレビ、日本テレビ、TBS、テレビ朝日などを実際にまわって、自分の目と心に焼き付ける。

あの日、夕方の銀座は今にも雨が降り出しそうで、映画のチケットを買ってから、上映までの時間、街をブラブラ歩いたり、マクドナルドでホットコーヒーを飲んだりした。

有楽町の映画館で観た「Ryuichi Sakamoto CODA

 

 

映画の内容はもちろん、不安を感じながら一人シートに座ってた時間は生涯忘れることはない。

今までの人生で大切にしてきたものを全て大阪に残して、東京という街で新しい人生を始めようとしている。言葉に出来ない寂しさが「不安」という感情に変換され、自分の奥底に沈殿していくのがわかる。

連続的な胸騒ぎと、まるでこれから先の人生が灰色一色であるかのような感覚。

撮影した東京タワーと月は、オリジナルカラーじゃなく、無意識にレタッチを加えた色彩と明暗が自分の心情を色濃く反映しているような気がする。

 

あれから1年。

東京の生活にも慣れ、これまでの人生がそうであったように、僕の人生は相も変わらず、人に恵まれている。

でも、時折、あの不安だった日に戻りたくなる。

 

言いようのない苦しみにもがいていたけれど、そこには確かに「生きてる実感」があった。

この文章を書いてるのは、2018年11月29日の午前3時23分。

別に深夜のテンションに酔って、キレイゴトを並べてる訳でも、格好をつけたい訳でもない。これは僕の本心だ。ほんの少しだけど写真を撮っておいてよかった。次第に曖昧になる細部の記憶を僕に繋ぎ止めておいてくれる。

もし、今、何かに苦しんでいる人、悩んでいる人がいたら、こんな奴がいたことを思い出してほしい。もしかしたら「不安な時期」は後になって、かけがえのない瞬間だったと気づくかもしれない。僕がそうだったように。

どうしてもダメなら逃げればいい。僕も逃げたから。

 

ただただ、慣れて、感じることをやめる人間にはなりたくない。

例えそう思っていても、人は慣れる生き物だから……せめて過去は振り返っていたい。

 

「過去を振り返らず今を生きろ!」

この言葉ほど、つまらないものはないと個人的には思う。

人はどうあがいたって今しか生きられない。だからこそ、精一杯過去を振り返って、消えゆく記憶をしっかりと繋ぎ止めて、あなたの、あなただけの人生を築いてほしい。

すいません、偉そうに。

 

いつの日か街で会ったら、その時は、お互い歩んできた人生について語り合いたいものですね。お酒でも飲みながら。

 

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