マット・デイモンに勝つ方法を考える

今日は朝から池袋に行く予定があって家を出たんだけれど、随分風が強くて、髪の毛があっちに行ったりこっちに行ったり、とにかく大変な日だった。おまけにかなり冷え込んでいる。ここ数日、暖かい日が続いていたのですっかり忘れていたけど、今は冬である。

午後、自宅に戻ってからは諸々やらなきゃいけないことを先に済ませて、ひと段落したタイミングで映画、その後、英語。今日はマット・デイモン主演の映画「オデッセイ」を観た。火星にひとり残され、生還するために奮闘する物語である。もしかすると会話に専門用語が多いのかもしれない。今日はあまり英語を聞き取ることが出来なかった。でも、不思議なもので、ずっと日本語の字幕をつけずに英語だけで観ていると、なんとなく内容がわかってくる(ような気がしている)し、少なくとも字幕がないことに対する違和感はなくなってくる。前から思っているんだけど、字幕があると物語の筋を追うために視線は字幕を追っていて、実はキチンと画面を観れていないんじゃないだろうか。勿論、映像も視界には入っているので観ているといえば観ているんだけど、結構見落としている細かい俳優さんの仕草や映像なんかがあるんじゃないかと思っている。そんなことを考えていると、「やっぱり英語は必須だ!」と燃えてきて、映画を観終わった後は、すぐに英語の勉強にも着手。案外サボらず毎日コツコツやってる。部屋に籠もって大学受験の勉強に使ったような参考書なんかを読んでいると、ふと学生時代の記憶が蘇ったりする。あの頃は義務感で勉強をしていたな、と。別に頭がいいわけでもないし、格好をつけるわけでもないけど、今は自発的に勉強が出来ているし、心から勉強って楽しいな、と思える。全然理解が追いつかなくて、あー、つらい、と思うことも勿論あるけど、だからといって嫌にはならない。年齢を重ねるにつれて学ぶことの楽しさは少し理解が深まってきた。

次第に陽が西に傾き、部屋の中がオレンジ色に染まっていく。オレンジ…いや、赤っぽくもある。ふと、先程まで観ていた映画を思い出した。マット・デイモンが生き延びるためにひとり奮闘していた火星も似たような色だった。オレンジ…赤。ぼくは椅子に座ったまま脚をベットに投げ出し、空想してみる。もし、この部屋が火星だとして、ぼくがひとり取り残されたんだとしたら、どうやって生き延びるだろう。当然、マット・デイモンが火星の外に出られなかったように、ぼくも部屋の外には出られない。時間が経って公共料金の支払いが止まれば、いつかライフラインが停止する。水、ガス、電気、一体どの順番に止まるのだろう、と真剣に考えてみる。マット・デイモンと同じ境遇?に自分を置くことで何かが見えるかもしれない。電気とガスは止まっても、水はキツイぞ、なんてことを真剣に考えるのだ。いや、待てよ、心配するだけ無駄だ。その前に食糧が尽きる。米はまだたくさんあるが問題はおかずだ。水菜と納豆、卵が数個のみ。買い物には行けない。次第に栄養が偏る。でも、マット・デイモンは火星で諸々の環境を整えてじゃがいもを育ててた。頭がいい。なんとかして、水菜から水菜、納豆から納豆、卵から卵を育てられないだろうか。この部屋の方が火星よりは環境的に恵まれているはずだ。いくらマット・デイモンの頭が良くても、火星とぼくの部屋を比べると完全にぼくに分がある。マット・デイモンに負けるわけには…

ピンポーン!

「はい」「宅急便でーす!」

実家から救援物資が届いた。もう少し生き延びられそうだ。その間にマット・デイモンに勝つ方法を考えることにする。