バカラと最後の青春

実家の母からLINEが来た。「Baccarat  shopからDMが届いている」と。

バカラット…?

一瞬、頭に「?」が浮かんだが、すぐに「バカラ」であることを理解した。数年前、大学時代にお世話になった先生へのお祝いとして購入した。その時に実家の住所を書いたに違いない。それにしても「バカラ」とは随分背伸びをしたものだ。お金は無いクセに時々妙に格好をつけたくなる。そんな性格である。

大学を中退して約10年。「夢を追う」と自ら大学生活というレールから降りた。今でもつい昨日のことのように鮮明に思い出すことが出来る。不安に苛まれ、迷い続けたあの日々が今となっては宝だ。僕しか持ち合わせていない僕だけの宝。無くしてしまわない限り誰にも奪われることはない。当時の僕が思い描いていた人生にはまだ遠く及ばない。けれどあの日の自分の判断が間違っていなかったことを証明したい。だからペースは遅いかもしれないけど歩くことを辞めるつもりはない。

今でも1年に1回ぐらいは大学へと足を運ぶ。何をするわけでもなく、ただ構内を歩きながら当時の記憶を思い出す。ある意味で、あの時期が「最後の青春」だった。まぎれもない青春。10年経っても全く色褪せない。勿論、美化している部分もあるだろうけどそれも含めて素敵だ。忘れてしまわない限り記憶の中でいつでもあの頃に戻れる。また先生に挨拶いかなきゃな。「俺、夢叶えるんで!」と格好をつけて大学を辞めた手前、なかなか中途半端な状態では会いづらい。この辺は完全に僕の自己満足。ややこしい性格だ。早く挨拶に行けるようにこの後もしっかり脚本に向き合うことにする。では。