【RooM研究会】最も近い最後の一人

出口が存在しない部屋『RooM』

かくれんぼに潜む「隠れている」という先入観


幼い頃、当時住んでいたマンションの裏側にある公園で友達数人とよくかくれんぼをして遊んだ。

決して広い公園でもなく、普段子供達で賑わっていた印象もない。

たまに親子連れを見ることはあっても、基本的に無人の時も多かったと記憶している。

砂場、すべり台、ブランコ。

どこの公園にもありそうな遊具が備え付けられ、隣には錆びれた駐輪場がある。

そんな公園である。

 

今でも時折、思い出す記憶がある。

 

それは、ある日、突然起きた。

いつものように友達数人とかくれんぼをして遊んでいた時である。

夕方から遊び始めたこともあり、すぐそこまで日没が迫っていた。

 

そんな中、隠れている最後の一人が見つからない。

 

周囲もくまなく探し、近くのマンションの方も確認してみる。

だが、どれだけ探しても見つからない。

その間にも辺りはどんどん暗くなる。

 

ついに鬼役の友達がギブアップした……

 

と、その時。

ずっと見つからなかった最後の一人の気配を感じる。

 

すくっと、公園のブランコから立ち上がったのだ。

 

ほんの数メートル先。

全員の視界に入っていたであろうブランコ……

もちろん、暗くなっていた影響もゼロではないかもしれない。

ただ、説明のつかない奇妙な感覚をその場に居た全員が共有することになる。

 

最後の一人は、あまりにも自然に違和感なく風景に溶け込んでいたのだ。

 

 

RooM研究会代表/ストーリーテラー

杉本 達哉(Twitter:@Sugimoto_2017)

(備考:2018年8月7日21:44の投稿記事をリライトしたものです)

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