【30分小説】(仮)After the party 執筆16日目 全ての女は化粧で素顔を隠す

30分小説 コンセプト


過去に舞台の戯曲を2度手がけ、普段はオリジナルの映画脚本を執筆する杉本が130分のみを使って、初の「小説」に挑戦する。

目標/書き上げた後の流れ


書き上げた物語を推敲し、最終的に出版する。

 

  • タイトル:(仮)After the party
  • ジャンル:群像劇
  • 内容:未定(書きながら考える)

 

執筆16日目
(執筆日時:201810月15日 00:25~00:55 投稿日:10月15日)

 

「おはよ」

耳元から聞こえる悠哉の声は昔と変わらない。

決して冷たいわけじゃないけれど感情はあまり感じられない。

「俺、いつもそうだから」

初めて遊んだ日、唐突にそう言われたことを思い出す。

決して社交的ではない悠哉なりの気遣いだったのかもしれない。

今となってはそれすらも懐かしく感じる。

「聞いてる?」

「……えっ?」

「えっじゃねえよ、えっ、じゃ。ったく、寝ボケてんの?」

「寝てないよ!だって空港だもん」

我ながらトンチンカンな答えだ。

電話の向こう微かに笑う悠哉の息遣いが聞こえる。

「なに?」

「変わんねえな」

「そんな簡単に変わるわけないでしょ!」

「なにムキになってんだよ」

「そんな言い方するからでしょ」

わかりやすい女かもしれない。

ムキになって突っかかることで少しでも感情を隠したかった。

悠哉だって、きっとそんなことぐらいわかっている。

けれど、ほとんどの女性が化粧で素顔を隠すように、私だって自分の本音を隠すの。それがバレているかどうかなんて関係ない。

「ちゃんと持ってきた?」

「服?」

「ほら、男と違って、女はドレスとか色々あんだろ?」

おんな。

その言葉が、声色が、なぜかマリエの心をさした。

「大丈夫、ちゃんとある」

「何時?」

「うーん、2時間くらい?」

「用意しとくよ」

「……」

「マリエ?」

「ん?」

「家、覚えてる?」

「当たり前でしょ!」

「だよな。じゃ、あとで。気をつけろよ」

そういって電話が切れた。

かつて送ってくれたこの空港に、今日は迎えにきてくれていない。

その事実がいやでも時間の流れを感じさせる。

マリエの視線には、楽しそうにはしゃぐ女の子が写っていた。

 

 

~本日はここまで~

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